さて、当社では年間500本を超える番組と、50本を超えるCMを制作しています。
その結果、年間でかなりの数の出演者オーディションを実施しており
なかには70名を超える方のご応募をいただくこともあります。
そんななかで感じたことや考えていることについて、皆さんの参考になるように
メモを残します。

【1.応募要項はよく読みましょう】
女性ナレーターの募集に男性が応募されたり、必要な書式(プロフィールやお見積りなど)が
欠けている。あるいは要項に明示されていることについて質問をお送りいただく……など
応募要項を充分に読まない状態でエントリーしてくる方がいらっしゃいます。
私たちは業務として募集をしているため、必要なものが欠けているご応募やお問い合わせは
困ってしまいますし、その後のオーディションご参加にも影響します。
ですので、応募要項は充分に読み込んだ上で、必要なものをご応募ください。

【2.言葉の仕事ですから、ご応募時からオーディションは始まっています】
私たちは音声番組やラジオCMを制作している会社です。
オーディションで募集する方にも当然、音声と言葉のプロフェッショナルであることを
期待しています。
ですので私たちは、ご応募時のメールの書き方なども注意深く読んでいます。
LINEなどのメッセンジャーとメールは違いますので、文章がきちんと整っている
(文の主述が明確である、私たちが知りたいことが正確に伝わるなど)ことが大切です。
また、「喋り言葉(口語)」と「書き言葉(文語)」では使い方が違います。
ご友人やご家族とのやり取りとは違い、ビジネスのためのメールになりますので
正しく書いていただくと、それだけで評価は上がりますし、その逆もまた真なり、です。
ご応募や、オーディションに関するお問い合わせの時点で評価は始まっていることを
意識しておくと、最初のハードルを超えやすくなると考えます。

【3.プロフィールは正直に&正確に!】
株式会社SEVENの場合、オーディションに応募される方がベテランであるか・新人であるかは
気にしません。ご応募される方の中には、これまでの実績がほとんどない方もいますが
私たちの演出方針に合致する場合は採用しますし、責任をもって演出します。
ですので、プロフィールは正確に、そして正直に書いてください。
ラジオ番組のご出演経験がある場合は、番組タイトルだけでなく
どの放送局(あるいはプラットフォーム)でいつ放送されたか、などの情報が必要ですし
イベントMCの出演経験などは、具体的なイベントの名称や規模を書いていただけると助かります。

【4.お見積りは「駆け引きなし」で】
株式会社SEVENのオーディションでは、ご応募時にお見積りをお送りいただくことが標準的です。
これは、ご出演料で不満を持っていただきたくないこと。それに当社の予算組みを正確に
行うための手続きです。
予算がタイトなときなどは、ご提出いただいたお見積りが極端に高いと
ボイスサンプルやプロフィールの内容が良くても選出に消極的になることがありますし
逆に「0円見積もり」や「いくらでもやります見積もり」は、「プロフェッショナルに
お仕事を依頼する」という関係性から離れてしまうため、審査対象外になります。
株式会社SEVENでは、0円見積もりは禁止とさせていただいています
私たちは駆け引きをする時間的余裕がありませんので、ご応募時のお見積りは
あなたが「誇りを持ってお仕事していただける価格」「不満のない金額」の範囲で
駆け引きの必要がないお見積りをご提出ください。
ちなみにCM収録や音声番組のナレーション収録の場合、交通費を別途支給することは
基本的にありませんので、そこも勘案してお見積りください。
(当社を出発点としたロケ・取材の場合は実費をお支払いしています)

【5.ボイスサンプルはバリエーション豊かに!】
そして肝心のボイスサンプルについては、バリエーションが豊かであるほど有利になります!
声優の方の場合、アニメキャラクター的なボイスサンプルが主軸になるとは思いますが
「若い/老いている」「明るい/クール」といった「声の演出」だけでなく
「セリフ/朗読/ナレーション/アナウンスメント」といったように、複数の領域のお声を頂けると
応募したオーディション以外の場面で、「そういえばあの人のあの声はいけるかも!」と
こちらで思い出したり、気づくことができます。
(実際に、そこから案件に結びついた方もいらっしゃいます)
繰り返しになりますが、私たちはこれまでのキャリアは重視しておらず、
そのとき私たちが求めている声を重視しますので、駆け出しの方でも勇気を持ってご応募ください。

【6.レスポンスの速さが勝敗を分けることがあります】
例えば、オーディション応募用orお仕事用のメールアドレスや電話番号を用意している方は
多くいらっしゃると思います。数日おき、あるいは必要に応じてチェックする方もいるでしょう。
一方、私たちは顧客の求めに応じて「期日までに収録・編集・納品する」というミッションがあり
案件によっては非常に短い期間で全ての手配を終える必要があることがあります。
そんなとき、あなたの声や見積もりが合致して「お仕事をお願いします!」と連絡しても
数日間返信がなかったり、携帯電話に出ていただけない……といったことになると
残念ながら採用を断念することがあります。
実際今年度は、「顧客の依頼から納品まで1週間未満」といった案件も数多くありました。
私たちは、顧客のご希望に対する即応能力が売りの制作会社ですので、
レスポンスが遅い方とお仕事をご一緒するのは難しいところがあります。
すぐに連絡がつく、ということも、案件獲得の近道と知ってください。

徒然に書き連ねましたが、これらは私たちにとってどれも大切なことです。
ぜひこれらを参考にしていただき、オーディションを勝ち抜いてください。
あなたとお仕事をご一緒できる機会を、私たちも楽しみにしています。